雑木の庭とは?
雑木の庭とは、自然の山林に自生するような落葉広葉樹や常緑樹を組み合わせて、季節の移ろいを感じられる庭づくりのこと。人工的な整形式ではなく、自然の景観に近づけることで心地よい空間を演出します。
Contents
雑木の庭のメリットとデメリット
メリット


- 四季の変化を楽しめる:春の芽吹き、夏の木陰、秋の紅葉、冬の枝ぶりと1年を通して表情豊か。
- 風通しが良く、涼しい:透かし剪定によって風が抜け、夏でも快適。
- 虫や鳥などの生き物が集まる:生態系が豊かになり、自然観察にも最適。
- 管理の手間が少ない:自然風に任せるため、定期的な剪定だけで維持可能。
デメリット

- 計画性が必要:自然風に見えても設計には高い技術が必要。
- 落ち葉の掃除が必要:秋には多くの葉が落ちる。
- 日照や風通しに注意:植栽バランスを誤ると庭が暗くなったり蒸れる原因に。
雑木の庭づくりのポイント
土づくりの要点
水はけが良く、適度に肥沃な土が理想。腐葉土やバーク堆肥を混ぜ込んでふかふかの土壌に整えましょう。
日照について
雑木の多くは明るい半日陰を好みます。高木で日差しをやわらげ、下草に適度な光が届くように設計を。
雑木の植え方
- 高木→中低木→下草の順で配置。
- 根鉢は土壌より一段高く据えると根腐れ防止に。
- 複数本を自然なリズムでずらして配置すると自然感が出ます。
雑木の選び方
- 成長スピード、樹形、紅葉の有無などをチェック。
- 地域に自生する樹種を優先すると環境に合いやすい。
欠かせない雑木のおすすめ
- コナラ:代表的な落葉高木。自然な樹形が魅力。
- アオダモ:繊細な葉と樹形が美しい。
- ソヨゴ:常緑で冬も緑が残る。
- ヤマボウシ:白い花と秋の赤い実が季節感を演出。
- ナツツバキ:涼しげな樹形と美しい幹肌が特徴。
庭の広さに合わせた植樹方法
- 広い庭:高木を中心に奥行きを出し、中低木や下草で階層的に演出。
- 中規模庭:主木1本+中低木をバランスよく配置。
- 狭い庭:高木は控えめに、中低木・下草で空間演出を。
雑木の剪定方法
透かし剪定のポイント
- 自然な樹形を保ちながら、風と光を通すよう枝を間引く。
- 枝の付け根から丁寧に切ることが重要。
- 太い枝をいきなり切らず、段階的に行う。
剪定に使用する道具
- 剪定鋏:細かな枝の切除に最適。
- 刈込鋏:生垣や下草の整形に。
- ノコギリ:太い枝を安全に処理。
- 手袋・脚立:安全面の確保も忘れずに。
高木とその役割
落葉樹による日差しの調節
夏は葉が茂り日陰を作り、冬は落葉して光を取り込む。自然の冷暖房として機能します。
高木の個性
木肌や枝ぶり、葉の色・形などそれぞれに個性があり、庭の主役になります。
中低木の特徴
視線を和らげたり、空間の区切りとして機能。季節の花や実が楽しめる品種も多く、庭に彩りを与えます。
下草と地被類
- ギボウシ、クリスマスローズ、フッキソウ、アジュガなど宿根草が人気。
- 根を張って雑草抑制にも効果的。
- 木漏れ日の中で育つ植物を選びましょう。
狭い庭での雑木の庭づくり方法
立体的、階層的な空間の捉え方
- 高木1本を中心に、中低木と下草で高さの違いを演出。
- 背景に塀や石などを配置して奥行きを演出。
落葉樹と常緑樹の組み合わせ
- 常緑樹は年間を通じて緑を保ち、落葉樹は季節感を演出。
- バランスよく配置することで自然な雰囲気に。
雑木の庭の楽しみ方

- 季節の変化を味わう
- バードウォッチングや虫観察
- 樹木とともに年を重ねる楽しみ
- 自然との共生を感じる暮らし
今後のトレンドや注意点
-
ネイティブプラント志向:地域の在来樹種に注目が集まっています。
-
ローメンテナンス化:自然に任せた管理が主流に。
-
気候変動への配慮:乾燥に強い樹種、根張りの良い樹種の選定がカギ。